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2009年5月

■空中を曲がれるようになった。

子供というのはあっという間に成長するというけど、鳥のように寿命が短い動物だと、その成長の速度もとてつもなく速い。毎日成長(進歩)しているのがハッキリとわかる。
昨日までは空を飛ぶといっても、まっすぐ一直線にしか飛べなかったけど、今日は空中でひょいとコースを変えることができた。
「おいでおいで」と呼ぶと一生懸命飛んでくるのだけど、途中でふいに人の手など障害物が差し挟まれると、昨日まではそれに止まるか、スピードを落としてやむを得ず墜落するかのどちらかだった。でも、今日はその障害物を避けて僕のところにやってきたのだ。
小さな脳みそで、毎日何かを学習しているのだ。
脳の性能とは、本当に大したものだ。

Weiba 子供の羽の生え替わりの時期で、しっぽが全部抜けてしまった。でも、空中での方向転換も問題なし。飛行機の尾翼がなくなったらと考えると、鳥の飛行性能は驚くべきものがある。

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■鳥は何故自分が空を飛べることを知っているのだろう?

「鳥は何故自分が空を飛べることを知っているのだろう?」
これは実に深淵な謎だ。
例えば子犬を机の上に置いて、「おいでおいで」と招いてみる。
子犬はまず机の縁から床を見下ろし、飛び降りても大丈夫かどうか確かめるだろう。危なそうと判断したなら、次には床へ降りるための踏み台になりそうなイスなどを探すだろう。子犬は間違いなく、床に降りる方法を探す。自分が空を飛べないことを知っているのだ。
しかし、小鳥は違う。
ひな鳥を同じように机の上に置いたとしても、小鳥は床を見下ろして高さを測ることも、踏み台になりそうなイスを探すこともしない。小鳥の頭の中には、床に降りて、歩いてこちらに来るという選択肢は端からないのだ。
小鳥もはじめて飛ぶ時は恐怖を感じる。だから、机の端で、飛ぼうか、飛ぶまいか、しばらくためらう(この動作がかわいい!)。でも、どんなに恐くても、小鳥の頭の中には床に降りるという考えは全くない。飛ぶか、飛ぶまいかの2者択一なのだ。
小鳥は、自分が空を飛べることを知っているのだ。

本能といえばそれまでだけど、一度も空を飛んだことがない鳥でさえ、自分が空を飛べることを知っているというのは不思議なものだ。

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■ついばめるようになりました。

昨日から口の中の色が赤から薄いピンク色に変わった。カラスが有名だけど、子供のカラスは口の中が赤い。大人になるほど赤くなくなってゆく。口の中の色を見れば、ヒナか大人かがわかるくらいだ。
そう考えると、シャオウェンも大人になってきたということかもしれない。
事実、昨日から周囲のものに対して好奇心をハッキリと示すようになってきた。もちろん以前も示していたけど、以前は頭を下げることをしなかった。全て見上げる動作だった。ところが昨日から、首を下に下げることを覚えてきたのだ。これができると、小さな穴を覗く、例えば長袖シャツの袖口を覗くという行動もできるようになってくる。
また、頭を下げることで、今日は床に散らばったエサをついばめるようになった。以前は多少頭を下げることはあっても、床のものをついばむ程度まで頭を下げることはなかったのだ。指にとまらせたとき、首を伸ばして下をのぞき込むという行動も今日はじめてのものだ。
少しずつ個性が現れ始めた。なかなか楽しい。
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■本当に、なんの鳥だろう?

と、いうわけで家にシャオウェンが来てから2週間以上になるが、まだ名前がわからない。親切な友人がヤブサメではないかと資料をくれたけど、見比べてみたらどうも違う。一部にはツバメの雛ではないかという人も言うけど、どうも色が違う感じがする。
本当になんの鳥だろう?
ただ、ひとつ確かなようなのは、どうも穀物を食べる鳥ではなさそうという点だ。シャオウェンのエサの食べ方は、これまでに飼ったどの鳥とも違う。穀物を食べる鳥は、文鳥でもインコでもスズメでも、食べられる時に一度にたくさん食べる。食べた後は安全なところに行って休んでいようということだろう。
ところがシャオウェンは2、3口分食べるとすぐにお腹いっぱいになる。ところが30分もするとまたエサをくれと騒ぎ出す。でも、また2、3口食べるとすぐに満足してしまい、それ以上食べなくなる。ところが、やっぱり30分もしないうちに、またまたエサをくれと騒ぎ出すのだ。
でも、これも虫を捕って食べる“肉食”の鳥だとしたら納得できる。虫を捕るためには身体が重くなっては飛びにくいので、身体を軽く保つ必要がある。だから一度に大量には食べられない。でも、少量しか食べていないからすぐにお腹が減る。で、身軽な状態で虫を追いかけて虫一匹分でとりあえず満足する。
シャオウェンのエサの食べ方を見ると、まさにそのままだ。

……それにしても、本当になんの鳥だろう? 日本では見たことのない顔だ。
Xw090431_003 2週間前、家に来たばかりの時。

Xw02 2週間前、家に来たばかりの時。その2

Xw01 2週間前、家に来たばかりの時。その3

Xw04 最近のシャオウェン。

Xw03 かなり立派になりました。


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■肉食の野鳥かもしれない。

さて、野鳥の雛をもらってはや2週間。この間にわかったことといえば、どうもこの子は雑食ではなくて肉食のようだ、という点。
うちに来て以来、エサとしてずっとお湯でふやかしたアワ玉をあげていた。小鳥のヒナはそういうものだと思っていたのだ。けれど、そうしたところ糞の量が異常に多いのだ。そしてよく見ると、糞の中に未消化のアワ玉がいくつも残っているではないか。
それでも当初は消化力が悪いのだろうと判断して、普通以上に時間をかけてお湯でふやかしたアワ玉をあげ続けた。しかし、夕方にあげた分でも、まだ糞を見ると未消化の感じだ。この時点でやっと、これは消化力の問題ではなくて、食べ物の種類が間違っているのではないかと気がついた。
もしも穀物を食べないとすると、この子は雑食でも草食でもない。肉食なのかもしれない。
となると穀物ではなくてタンパク質をあげなければならない。
本当ならそこで虫をあげるのかもしれないけど、虫を食べたくちばしにキスをするのはごめんだ。そこで、動物質のタンパク質は難しいので、植物性のタンパク質である豆腐をあげてみることにした。
結果は上場で、豆腐を食べ始めて以来、糞の大きさが正常に戻った。また糞の中に未消化の食物は見あたらず、きちんと全てが消化されているようだった。
もっともこの子はかなりのグルメのようで、その後おもしろがってクッキーをあげてみたところ、よほど気に入ったのか、それ以後豆腐を全く食べなくなってしまった。でもクッキーなら食べるのだ。
仕方なく、豆腐に蜂蜜をかけて甘い味をつけたところ、再び食べるようになった。蜂蜜豆腐はいけるようだ。

このところ、名前も覚えてきたようだ。「シャオウェン!」と呼ぶときちんとこっちを見るからだ。
また、「おいで、おいで…」と呼ぶと、一生懸命羽ばたいて飛んでくるようになった。
おまけにこの子は全く人を恐れることがなく、せっかくカゴから出してもらっても、人の肩に乗ってぴたっとくっついてくる。非常にかわいい。一人にされるのが嫌なのだ。
この調子なら、非常によい手乗りになってくれるかもしれない。将来が楽しみだ。

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■果物の中から虫。

ビワを大量に買ったことは書いた通りで、ここ数日は嫌になるほどビワを食べている。日本では体験できない実に幸せな毎日だ。
ところで、大量に買うということは中にはいくつか問題のある物も入っているということにつながるわけで、実際、虫食いのものが2つもあった。そのうちひとつは外からハッキリわかるものだったけど、もう一つはビワの皮をむいたら、そこに黒くて深い小さな穴が開いているというもので、外からはわからない虫食いだった。実に器用な虫がいたものだ(あるいは僕が見落としていただけだろうか?)。

でも、虫がいたのだ。

日本では、野菜や果物を買って虫が出てくるなんて考えられないけど、こちらでは意外と多い。キャベツを買ってナメクジ、カリフラワーを買って青虫、そして今度は虫食いのビワ。で、ふと思った。

本当に中国の野菜は農薬が多いのか?

日本にいた頃は、中国の野菜は農薬付けだから生で食べてはいけないとか、炒めて食べる時も農薬除去洗剤で洗ってから食べるようにとか、恐ろしい話を聞かされていたけど、ここ四川に来て感じるのは、何でこんなに虫が多いんだろう、ということだ。野菜を買って虫が出てきた話は、僕だけじゃなくて、あちこちから聞こえてくる。

そう考えると、逆に「どうして日本の野菜や果物には一匹の虫もいないのだろう?」と不安を覚えてくる。

本当に中国の野菜は危ないのか?
本当に日本の野菜は安全なのか?

……ちょっと恐いぞ。

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■わははは…。見ろ、ビワがゴミのようだ!

四川の魅力のひとつが、果物の豊富さだ。とにかく多種多様で、しかも日本では考えられないほど安い。マンゴーもパパイヤも、日本なら南方の特別な果物といった感じがするけど、ここでは当たり前のように一山いくらという感じで売られている。本当に当たり前なのだ。ブドウもスイカもスターフルーツもドラゴンフルーツも、ドリアンも、どこにも特別という感じがない。当たり前の果物なのだ。
で、今の季節はビワ。
日本では高級果物の代名詞のようなあのビワが、ここでは本当に一山いくらの叩き売り状態(日本人から見たらだけど)。もう、こんなにいっぱいあっていいの、という感じだ。道ばたにならんだ果物売りのリヤカーだって、売り物は全部ビワ。ラピュタのムスカじゃないけど、「ビワがゴミのようだ!」とでもいいたくなるくらいどさっとある。
しかもおいしいのだ。
日本と違うところはカタチが整っていないというところだけど、これはむしろ日本のビワの方が異常にカタチが整いすぎているといった方がいいだろう。だから異様に高いのだ。
そんなわけで、今日はどさっと大量に買い込んできた。大きなお皿に収まりきらないほど大量のビワ。いやぁ、幸せだなぁ。

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■野鳥のヒナを飼うこと。

そんなわけで、日の出と共に起きようと思っていたにもかかわらず、起きたら6時だった。もっとも中国の6時は北京時間の6時なので、成都では日の出からそれほど時間がたってはいない。だから、この時期は6時でもまだ薄暗い。 前の晩に食べさせたとはいえ、朝になると鳥だって当然お腹が減っている。でも、あいかわらず食いつきは悪かった。楊枝でくちばしをこじ開けてやらないと、どうしても食べようとしないのだ。これはどうしたことだろう。 後でわかったのだけど、彼はどうもパンを食べる習慣がないようだった。というのも、アワを買ってきて食べさせてみたら普通に口を開けて食べたからだ。 ちなみにその日は午後から成都の黄田[土貝]というところにある花鳥市場に行ってきた。アワを買ったのはそこのことだ。花鳥市場といっても鳥の市場のことで、セキセイインコやらボタンインコやら。中国の鳥やらがいっぱい売られていた。日本では、ペットはデパートの屋上と相場が決まっているけど、こちらではそうではないのだ。 売られている鳥かごも竹ひごで作られた、それはそれでなかなか風格のある物だ。 もしもこの鳥が大きくなったら、奮発してみようかとも思っている。

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■新しい家族

まさに驚き桃の木なのだけど、新しい家族が増えてしまった。知り合いが、小鳥の雛を拾ったのだ。色はスズメのような茶色で、大きさはスズメの雛よりも一回り大きい感じ。たぶん、中国の至る所にいる大きめのスズメのようなやつじゃないかと思う。でも、名前は知らない。日本にはいない鳥だ。
その知り合いは、家を出る時に、家の前で拾ったのだという。彼は僕が鳥好きだというのを覚えていてくれて、持ってきてくれたのだ。

さて、そんなわけで急に小鳥を育てることになってしまった。

小鳥の雛を育てる時に一番問題になるのは、ヒナがえさを食べないということだ。特に野生の拾ったヒナは、エサを与えても簡単には食べてくれない。この小鳥もそうだった。ケーキがあったので試しに与えてみても、くちばしを開こうとしない。じっと結んだままだった。聞けば、拾ったのは5時半だという。その時点ですでに9時半だったので、もう4時間も何も食べていないことになる。小鳥の雛は胃が小さいので、長い時間何も食べないでいると簡単に飢え死にしてしまう。このままだと朝になる前に死んでしまうだろう。

いろいろ用事があって、家に帰ったのは10時だった。4時間半、飲まず食わずの計算だ。

小鳥の雛がエサを食べない理由は、多くの場合簡単だ。すなわち、それがエサだと知らないのだ。人間だったらパンを見たらすぐに食べ物とわかる。でも、小鳥のヒナはパンなど見たことがないので、それが食べ物だとわからないのだ。だから、エサを食べるようにするには、それがエサだということを教えればいい。

4時間以上食べていないので、まずは手っ取り早く元気をつける必要がある。それで、まずは蜂蜜を与えることにした。爪楊枝の先を蜂蜜に浸して、それをくちばしにつけてやる。辛抱強く続けていると、小鳥はくちばしが汚れるのを嫌うので、くちばしの掃除のために必ずいつかはくちばしをなめる時が来る。どんな動物でも甘い物は大好きだ。それで、その時にやっと「これはおいしい物だ」と気づくのだ。そして気づいたら今度は自分からなめようとしてくる。

これは以前、スズメの雛を拾った時に試した方法だけど、今回もうまくいった。でも、朝まで蜂蜜だけというのはちょっと心配だ。

それで、今度はパンを蜂蜜に浸して食べさせることにした。といっても、簡単には食べてくれない。パンが食べ物だということを知らないのだ。そこで、妻に頼んで爪楊枝でくちばしをこじ開けてもらい、開いた好きに僕が小さくちぎった蜂蜜パンを口の中に押し込むことにした。
二度、三度と続けるうちに、やっと食べ物だとわかったのだろう。口の中に入れてやれば自分から食べるようになってくれた。まだ、こちらが押し込んでやらないと食べてはくれないけど、でも大きな進歩だ。

次にすることは、暖かくしてやることだ。

小鳥のヒナは体温調節が苦手で、しかも暖かい環境が好きだ。母親の羽の下はだいたい40度くらいだという。だから人間の感覚からすると少し熱いくらいがちょうどいいのだ。それで、ホッカイロを置いた上にちり紙を載せて、とりあえずの寝床を作ってやった。

しかし、これで終わったわけではない。小鳥のヒナは朝早く食事をとらなければならない。明日は日の出と共に起きて、エサを与えることになる。

ヒナを育てるのは本当に大変だ。

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