中国の農村におじゃました帰りに電車に乗ってみました。本当はバスで帰る予定だったんだけど、鉄道の方が安いよ、といわれてついホイホイ乗ってしまったのです。結果からいうと、正直なところ「乗らなければ良かった」。
中国の電車は、日本でいうところの、まさに「鉄道」で、長距離鉄道。決して山手線や東横線のようなものじゃない。日本の“電車”はこちらでは“地下鉄”にあたるようだ(もっとも成都にはまだ地下鉄もないけど)。
で、その鉄道。
実に汚い。
また、長距離を走ってくるので、乗っている人も疲れ切っているというか、あるいはどこか哀愁さえ漂っている感じだ。でも、一番の問題点はやっぱり汚い点。床のあちこちにゴミが散らばっている。途中で乗務員がホウキを持って床を掃きに来なければいけないほどゴミが多い。正直、電車に乗っているというよりは、走るゴミ箱に乗っているような感じだ。
おまけに僕が乗った時は満席で、席がまったくなかった。成都まで約1時間半、立ちっぱなしだ。
ところで、一時間を過ぎた頃、ふと気がついたことがある。車内で立っているのは、僕と妻と、その他数人だけではないか。同じ駅から一緒に乗ってきたたくさんの中国人たちも席はないはずなのに、彼らはどこにいるのだろう?
妻に聞いたところ、彼女は「あなた何言ってるの?」という顔をした。
それから数分後、僕らの近くの男性がトイレに立った。妻はそこに席が空いたのを見ると、当然のことのように空いた席に座った。そんなのありかい? 僕は唖然としてしまった。しかも、彼女の両側がその男性の親族なのは、この一時間の観察からわかっている。
ところが、その親族たちは、妻に対して何も言わなかった。それどころか、トイレから帰ってきた男性も、自分の席が取られたにもかかわらず、何も文句を言わず、以前妻が立っていた場所に黙って立った。彼の親族も、文句ひとつ言わずにいる。
中国では、自分の権利を、“強く”主張した者の勝ち。
電車を降りてから、妻は「わかった?」と言った。「何が?」と僕は聞き返した。「どうして一緒に乗った他の中国人が立ってないかよ。私が見本を示してあげたでしょ」
つまり、人が立ったスキに席を乗っ取る。乗っ取られた者は、本来なら無理矢理自分の席に座る。だから3人掛けのイスに4人がぎゅう詰めで座っているなんてざらだ。そうやってみんな無理矢理座っているから立っている人が少ないのだ。
日本人には考えられないルールだ。
まあ、面白いと言えば面白いルールではあるけど……。
↑電車の中でハモニカを吹いて気を紛らわしているおじさん。腕前の方はお世辞にも上手とはいえなかった。騒音になるかもしれないとは考えていないようだ。自分のしたいことをする。それがここでのルールのようだ。

!人気ブログランキングに投票お願いします!
最近のコメント