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2008年12月

■成都の年末年始

成都でも今日は12月31日。でも、中国の新年は旧暦の春節で祝うので、大晦日であっても年末年始という感覚はない。それどころか、未だにクリスマスの飾りが残っていたりする。それどころか、店舗の飾り物の中には「メリー・クリスマス&ハッピーニューイヤー」なんていうのさえある。飾り物を変えるのが面倒だから、一緒にやってしまおうというわけだ。こちらの人には、クリスマスも新年もその程度のものなのだ。

日本ではこの時期正月休みで最低一週間は休みがあるけど、こちらでは12月31、1月1日、1月2日の3日間しか休みがない。3日も休めれば良い方で、1月1日だけというところもある。だから本当に新年という感覚がない。

回りがそんなわけだから、こっちに住んでいると自分もいつの間にか影響を受けていて、正直、ついさっきまで大晦日だということを忘れていた。もちろん12月31日ということは知っていたけど、それが日本では年越しそばを食べたり紅白を見たりという特別な日であることを忘れていた。

なんだか、だんだん自分も中国化してきたなぁ、と感じてしまった。

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■冬至の日には羊肉火鍋

昨日は冬至。
ということで、成都では街中のいたるところで羊肉火鍋を食べる姿が見られた。普段は駐車場になっている広場でさえ、急遽テーブルが持ち出されて羊肉火鍋の広場に変わってしまった。どうして羊肉火鍋なのかというと、羊肉には身体を温める効果があるとのことらしい。
本当だろうか?
真偽はさておき、とにかく誰もが羊肉火鍋を食べるのだ。

火鍋と言っても、これは赤くない、つまり辛くない火鍋だ。火鍋というと日本人にとっては辛い鍋のことだけど、こちらではただの鍋料理。羊肉火鍋は、白湯スープで羊の肉や内臓ら野菜やらを煮て食べる。ポン酢のようなツユはこちらには存在しない。その代わり、白湯スープを少し器にとって、そこに塩と香菜とニンニクをたっぷり入れて食べる。羊の肉は臭うことがあるので、香菜とニンニクはニオイ消しなのかもしれない。でも、本当においしい店に行くと、当然のことだけど臭みは全くない。

気をつけなければいけないのは、日本人と成都人の食文化の違いだ。彼らは内臓をとても重宝する。以前中国人の友人と一緒に食べに行った時、注文を彼に任せたところ、ほとんどが内臓で肉はほんの少ししかなかった。肉が少ないよ、というと、
「どうして! 内臓の方が貴重だしおいしいんだよ! 羊肉火鍋は内臓を食べなくちゃ!」
と力説されてしまった。
おいしいのはわかるけど、日本人には内臓を食べる文化はないんだよ。今度は肉を多くしてよ。納得させるのに、日本人の友人2人と、2、30分かかった。

でも、そうはいっても羊肉火鍋はおいしい。
冬至でない日にも食べてもおいしい。鍋料理だけど、夏にだって食べられる。こちらでは鍋に季節はないのだ。不思議なことに。

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■中国の現代アートなら、日本のマンガの方が上かもしれない。

発展著しい中国では、現代アート界も賑わいを見せているようだ。中には水墨画で裸婦を画いて高い評価を得ている画家もいるとか。でも、と思う。これって本当に芸術なんだろうか?

たとえば、コレ → http://sub.recordchina.co.jp/gallery/11.php

僕の好きな漫画家に桜玉吉という人がいて、その人の作品は僕はほとんど全部持っている。桜玉吉のマンガがすごいのは、内容もさることながら、筆で書いた水墨画風の画風がすごい。日記風の内容と相まって、時に魂の叫びのようなコマがあったりする。

正直、日本の漫画家は、絵の下手な人もたくさんいるけど、うまい人もたくさんいる。そしてうまい人になると、時に芸術的な絵を描く人もいる。現代アートの芸術家の中には、マリオだののゲームのキャラクターを使ってアートしている人もいるけど、だったら日本の漫画家の方がよほどアーティストかもしれない。

そういえば、浮世絵もいまでこそ芸術だけど、江戸時代はただの使い捨てのイラスト程度の扱いしか受けていなかった。浮世絵の価値を見いだしたのはパリの画家たちだった。日本人にとってマンガはただの消費文化に過ぎないけど、そろそろ本気で、その中から価値のあるものとないものとの取捨を行っていく必要があるかもしれない。

桜玉吉が中国で個展を開いたら、もしかしたら画家として認められたりして、なんて思ってしまう。

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桜玉吉。この人のマンガ最高!
中国に持って来れなかったのが痛い。

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■成都の冬と、時差。

成都にも本格的に冬がやってきて、もう最近では朝起きるのが本当につらい。

冬の早起きは、日本よりも成都の方がはるかにつらい。もちろんれっきとした理由がある。それは時差だ。中国は日本の約25倍もの広さがあるのに、時間帯はたったのひとつだけ。実に大雑把なのだ。アメリカなど東海岸時間や西海岸時間など4つ(だったか?)に分かれているというのに。

で、その結果どういうことが起きるかというと、北京よりも西の地域では、実際の時間よりも時計上の時間の方が早く進むということになる。具体的に言うと、成都では朝7時でも日の出前なのだ。

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↑成都の午前7時。こんな感じでまだ真っ暗。
(あんまり真っ暗なので、フォトショップで明るさを調整してもこの暗さ!)

考えてもらいたい。冬の朝、日の出前に起きるつらさ。
たとえ前日12時前にベッドに入って、正味7時間睡眠と取ったとしても、やっぱり日の出前に起きるのはつらいのだ。
これから春まで毎日この調子だ。

冬は成都よりもはるかに日本の方が過ごしやすい。
うう、寒っ……。

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■中国の歯医者に行ってみよう!

海外生活が長くなると、何が困るといって歯の悩みは大きい。何かの拍子に歯の具合が悪くなったらどうしよう? というのは、誰にとっても大きな問題だ。
たいていはビザの更新などで日本に帰った時に治療するという形を取っているみたいだけど、急な治療はそうはいかない。かといって、成都は日本からかなり離れているので、歯の治療の度に日本に帰るわけにはいかない。仕事を持っている人だっているし、留学の途中で勉強を放り出して帰るというのもあまり勧められる方法じゃない。

そんなわけで、何とか現地で良い歯科医を見つけなければならない。

で、探してみたところ、案の定、成都の南に一件。南は外国人が一番多く住んでいる地域なので、あるとしたらそのエリアだろうと思っていたら正にドンぴしゃ。といっても、自分で見つけたんじゃなくて紹介されたんだけどね。

行ってみたところ、中国とは思えない清潔さ。医者は女性だったけど、客への説明の方法なども理路整然としていて、こちらの質問にもきちんと答えてくれる。外国人慣れしているという感じだ。これが中国人相手の歯医者だとそうはいかない。「オレのいう通りにしていればいいんだ」的に、高飛車な態度でこられてしまう。
さらに驚いたことには、この医院の基本的な用具は使い捨てなのだ。医師の手袋もそうだし、歯をつついたりするカギ型の耳かきみたいな棒(名前わかんないよ)もそうだし、口の中を覗く鏡(だから名前なんかわからないって)もそうだ。患者の前で封を切って、新品を使う。日本でもここまでやっているところは少ないんじゃないだろうか。

気になるのは金額だけど、値段は日本の二倍から三倍といったところ。これだけ聞くと暴利に感じるかもしれないけど、日本に帰って治療するとしたら、まず国民健康保険再加入の手続きをしてから治療を受けることになる。夫婦二人で最低でも一万円は超えるだろう。そうなると、保険料を払ってさらに治療費を払うと、虫歯を詰めるくらいの治療ならこちらで倍払ってもまだ安い計算になってしまうのだ。

奥歯に銀歯などかぶせる治療になると、日本よりも1万円ほど高くなりそうだ。でも、かぶせた後のアフターケアを考えると、やっぱり多少高くてもすぐに通える歯医者の方が便利ということになる。それにかぶせる治療だと、日本ではかぶせる部分ができるまでの間、1ヶ月ほど日本に滞在しなければならない。

そう考えると、値段的にも、時間的にも、こちらで治療した方が遙かに便利なのだ。

ただし、良い医者を見つけたとしてももう一つ大きな問題がある。それは、“中国語で先生と会話ができる”こと。間違っても日本語で受け答えに応じてくれるなんて期待しちゃいけない。実は、これが一番の難問だ。

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■さすがはフェラーリ。成都でも殿様商売。

さすがに成都は大都会で、車も多い。走っているのもその多くは外車だ。トヨタ、ホンダといった日本車は少ない。目にするのは圧倒的にワーゲンとシトロエンだ。時々BMWやメルセデスも走っている。
ところで、車といえばやっぱりイタ車。
というわけで、実は成都にもフェラーリのディーラーがあったりする。実をいうと、いま住んでいるマンションの目の前にもフェラーリとマセラッティのディーラーがある。しかも成都にあるフェラーリのディーラーはここだけではなくて、さらにもう一カ所、全部で2カ所もある。

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↑これ。
やっぱり成都は大都会なのだ。

ところで、フェラーリの看板を見て、「さすが!」と唸らされるところがあるんだけど、わかるだろうか?

実は、このディーラー、漢字の名前がないのである。
普通中国のカーディーラーは、ホンダなら「本田」、BMWなら「宝馬」のように、必ず漢字の名前を併記するのだけど、さすがはフェラーリ。アルファベットのみなのだ。フェラーリも、漢字の表記がないわけではない。「法拉利」がそれ。F1雑誌などではこの名前で書かれている。でも、ディーラーにあるのは「Ferrari」の文字だけ。

跳ね馬のマークと「Ferrari」の文字で、ここがなんの店かわからないやつは客じゃない、ということだろう。

さすがはフェラーリ、である。

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F1というと、やっぱり葉巻型が好きだ。かっこいいぞ、ジム・クラーク!

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■これで佐藤琢磨のトロ・ロッソ入りも消滅?

正直、ころころ態度を変えるバトン君はどうだっていい。気になるのは、
一時、ホンダエンジンと一緒にトロ・ロッソ入りかといううわさがあった佐藤琢磨。
今回のホンダ撤退でこの話も流れてしまうんだろうか……。

日本のF1も、また冬の時代に入るんだろうか。入るんだろうな。
残念。

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この人も、ホンダに翻弄された一人のような気がする。
でも、月並みだけど、夢をありがとう。はあ……。

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■火鍋に関する恐ろしい話

知り合いが成都の某火鍋屋で働くようになった。アルバイトだ。裏側に入るといろいろと見えてくることや聞こえてくることがある。
で、彼女は言った。

「成都の火鍋屋の9割以上は、鍋の油を使い回してるんだよ」

あの火鍋の赤いタレというか、汁というかを使い回しているという噂は、日本にいる時から聞こえてきたことだけど、火鍋屋で働いている人間から直接聞かされると「ああ、やっぱりな」と思うと同時に、やっぱりショックだ。でも、じゃあ残りの1割はどこにあるのか、といってもそんなことはわからない。できることといったら、成都に火鍋屋は海の砂粒ほどもあるので、そんな中からなるべくキレイな店を選んでそこが使い回してないことを祈りつつ食べるだけだ。
もちろん、その話がただの噂という可能性がないわけでもないけど、まあ、たぶん本当だろう。火のないところに煙は立たないのだ。

油の使い回しというと、成都では他にも恐い噂がある。街中の安い食事屋に関するものだ。
当然のことながら、食べ物屋からは大量の残飯が出る。その残飯をあちこちから集めてくる連中がいるらしい。

何のために?
もちろん、油を取るため。

残飯と言っても中華料理の残飯だから、油がゴッテリ残っている。その残飯を大きなバケツにひとまとめに入れてしばらく待つと、油は軽いのでバケツの上の方に大量に浮いてくる。その油をすくって安い値段で売りさばけば、元手いらずでかなりのお金になるらしい。街の安い食事屋はそういう油を平気で使っているらしい。そんなわけだから、実際、現地の人でも街中の安い食事やで食事をするのをいやがる人は多い。一方日本人はというと警戒心が薄いので、安いというだけの理由で食事をして、現地の人から「あんなもの食べて……」と呆れられることもあるほどだ。

正直、食品衛生に関しては恐ろしい話は多い。
でも、火鍋に関しては、熱々に熱して食べるので殺菌はできていると思うけどね。

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これは、街の火鍋屋で食べた火鍋。ここはたぶん使い回してるんじゃ
ないかと思うけど、近いし便利だし客が多くて食材が新鮮なので利用
する、中には食材が古いようなところもあるので、火鍋の油の使い回
しばかり気にしていると、他のところで足下をすくわれるかも…。

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■塵の都・成都

成都は本当にホコリの多い町で、床を拭き掃除しても数日後にはもうザラザラになってしまうほどだ。成都の“成”の発音と塵土の“塵”の発音が同じなので、口さがない人は成都を塵都(どちらも中国語の発音は“チェンドゥー”)と呼んでいる。成都人でさえそうなのだから、もう仕方がない。

とはいえ、成都は都江堰で知られるほど水の豊かな国。ちょくちょく散水車が走って回っている。この散水車が通る時の音が、日本の「通りゃんせ」を思わせるちょっともの悲しい、懐かしい感じのする音楽なのだけど、聞き入っていると道路の塵混じりの水をぶっかけられるので、音が聞こえたら大急ぎで逃げなければならない。

日本では散水車なんてほとんど見かけなかったけど、ここでは街を歩けば毎日のように見かける。ホコリが多いことでは北京も有名だけど、北京は一方で水不足も伝えられる。

あっちでも散水車なんて走ってるんだろうか。

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これがその散水車。この写真では中央分離帯の樹木に水をあげている。
問題は、歩道側に散水する時。写真を撮っている余裕なんてとてもない。

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■成都日本食事情(というほどでもないか)

成都にながく住んでいると、「日本食が食べたくなることはありませんか?」なんて聞かれることもある。
正直、僕は日本食よりも中華の方が好きだったくらいだし、おまけに妻が広東人なので、今の方が毎日おいしく暮らしているくらいだ。でも、2つだけ、時々食べたくなるものがある。

すき焼きとさしみだ。

すき焼きに関しては、自分で作って食べられることがわかった。今では糸こんにゃくも手にはいるし、中国人が食べないと言われていたゴボウさえ、最近はスーパーで手にはいるのだ。もっともゴボウに関しては、どうも最近になって流通しはじめたらしく、成都の人に聞いても食べ方を知っている人は少ないようだった。むしろ僕がきんぴらゴボウの作り方を教えてあげているくらいだ。
あと、すき焼きで鬼門は生卵。中国で生卵なんて食べて平気なんだろうか?
でも、そんなわけで材料面は揃っているので、中国の生卵を食べる度胸さえあれば、すき焼きの問題はクリアーできる。

でも、さしみはクリアーできない。

こちらでも刺身を食べられないことはない。でも、ほとんどがおいしくない。食べられるのはサーモンとマグロ、ホッキ貝。サーモンは日本でももともと解凍だし、マグロにしても、日本でだって生マグロはなかなか食べられない。貝類はもともと生命力が強いので、それなりに食べられる。でも、そのほかのものは全くアウトだ。
特にイカ。
三回くらい解凍に失敗してるんじゃないかと思えるような、くたびれて味の抜けたイカしかない。これは刺身に限った話じゃなくて、炒め物のイカもそう。だからうっかり海鮮炒めなんて食べた日には、味のないゴムのような物体を口にさせられることになる。
僕は刺身の中でも特にイカが好きだったので、まさに文字通り“いただけない”有様だ。

とはいえ、そもそもこんな山の中で刺身を食べようと思う方が悪いわけで、地元の食材を使ったら、簡単に、安く食べることができるのだ。例えば野菜。味の濃さが東京とはまるで違っている。日本では野菜だけの食事なんて考えられないけど、こちらの野菜なら肉抜きでも十分においしく食べられるのだ。
郷に入ったら郷に従えというのは、食べ物の世界でも正論だ。

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ちなみに、こちらのスーパーではこんなものも当たり前のように売っている。
もちろん、生きたカエル。市場では、皮を剥かれて生殺し状態になったカエルも売られている。
食文化の違いは……ああ、恐ろしい。(写真をクリックして拡大して見てね!)

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